ロシアの軍事侵攻から約6週間
ウクライナ戦争は長期化が必須
ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてから間もなく約6週間、ロシアの姿勢に変化が出ている。
首都キーウ(キエフ)郊外から軍を撤退させ、東部のドンバス地方などに戦力を集中させる構えだ。停戦をめぐるプーチン大統領とゼレンスキー大統領の直接の協議という報道も伝えられている。
だが停戦をめぐる双方の主張は隔たりが大きく、ロシア軍が侵攻・占拠した地域から完全に撤退するとは考えられない。ウクライナ戦争は長期化が必至の状況だ。
経済制裁も長引くと予想され、日本にとっても「第二幕」の方が影響が懸念される。
北部戦線からの撤退の背景に
「ラスプティッツァ(雪解け)」の到来
ロシア軍が2月24日に、ウクライナへの全面侵攻を開始した当初は、キーウは2日で陥落との見方も流れたが、欧米の武器支援を受けたウクライナ側の抵抗に加え、ロシア軍の兵站等の問題もあり、依然、キーウやハルキウ(ハリコフ)等の重要都市はウクライナ政府の管理下にある。
戦況は膠着状態にある中で、北部戦線ではロシア軍がベラルーシ領やロシア領に撤退する動きが出ている。