ドル円相場は130円台を付けた。約20年ぶりの円安だ。
円の実質実効相場(対主要通貨の価値を合成し物価も調整した「円の実力」)で見ると、50年ぶりの円安水準である。
FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げペースを加速する中で内外金利差が拡大しているためだが、日本銀行は「緩和維持」で動かない。
現在のイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)が為替変動を増幅している面があるため、それを撤廃するのも一案だが、日銀にそのつもりは全くない。
だとすれば、今後の米国の動向次第だが、円安がさらに進む可能性が高い。
「歴史的な円安」生み出した
日米の金融政策の違い
現在の円安加速の背景には、日米の金融政策の違いがある。
米国は3月に利上げを開始し、5月には利上げのペースを通常の0.25%から0.5%に引き上げた。ハイペースの利上げは今後も続く見込みであり、FRBのバランスシートも急速に縮小されていく。