社外取締役の実態をデータを基に炙り出す。日本の上場企業の社外取「全9400人」を網羅した実名ランキングを初公開する。ダイヤモンド編集部の独自試算で社外取を、報酬や兼務社数、企業業績など六つの軸で徹底評価。全9400人を1000点満点で序列化した本邦初公開のランキングだ。およそ3週間にわたり公開予定の特集『社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列』の#1では、まずは前編として、上位に入った4000人の実名と総得点を紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
東証再編で社外取バブルも問題噴出
本邦初!社外取9434人を徹底評価
社外取締役に「欺瞞のバブル」が起こっている。
本来、社外取の重要性はかつてなく高まっているはずだ。その一因として、4月の東京証券取引所での市場再編がある。新たに生まれた「プライム」市場の1839社には、独立社外取の比率を3分の1以上に上げることが求められたからだ。企業は統治改革を迫られ、社外取の増員に乗り出している。
しかし、求人バブルともいえる状況で、社外取たちは、専門的・中立的な立場から経営を監督する能力を持ち合わせているのか。高額な報酬に見合う働きをしているのか。
実際、取材をしてみると、経営陣の「お友達」の登用、女性や外国人の“アリバイ”選任といった問題が噴出。その上、欠席も多く会議資料すら読まない“イエスマン”が超高額報酬をもらっているという話がざらにあった。
そこで本特集では日本の社外取9434人を徹底評価する複数の独自ランキングを作成した。第1弾として、社外取の推計報酬額や兼務社数、業績など六つの評価軸を設定し、1000点満点で全員の実名序列化を試みた、本邦初の「総合ランキング」をお届けする。
今回は総合ランキングの前編として、社外取9400人のうち、まずは上位4000人の得点結果を公開する。
上位を見ると、元財界首脳である超大物が5位に。並み居る男性の大物経営者を押さえて首位に躍り出たのは、ソニーグループや三菱商事など超名門企業で複数のポストを兼務する女性だった。
そして上位には商社や銀行、大手製造業の大物経営者のほか、「プロ経営者」、コンサルティング会社や士業の出身、大学教授、官僚OBなども目立つ。
さらに独自ランキングからは、監督責任に疑問符が付く社外取や、利益相反などのトラブルを抱えた社外取の存在も浮かび上がる。
それでは詳細を見ていこう。なお、551~4000位の社外取については、氏名や社名で検索できる。併せてチェックしてほしい。