社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列#12Photo:123RF

高齢化が進むのは社外取締役も同じだ。およそ3週間にわたり公開予定の特集『社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列』の#12では、在任期間の長さと併せて高年齢の社外取100人を紹介する。90歳以上の社外取は9人で、最高齢はなんと99歳。シャープや新日鐵(現日本製鉄)など名門企業の大物経営者が上位に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

上場企業の社外取「平均年齢は63.2歳」
90歳以上の「超高齢」社外取は9人も

 上場企業の社外取締役「全9434人」の平均年齢が63.2歳という高い水準になることが、ダイヤモンド編集部の調べで分かった。人口統計では15~64歳が「生産年齢人口」。普通の人であれば、引退間近の年齢である。さらに65歳以上の人数を数えてみると5802人に上り、社外取全体の実に6割強を占めた。

 社外取の高齢化が進んでいるのは、日本全体の傾向と同じようである。ちなみに、80代の社外取の数は293人だった。さらに、90代でなお現役社外取として活躍している人が、なんと9人もいた。最高齢は99歳である。

 本記事では在任期間の長さも併せて調べたのだが、20年以上も同じ会社の社外取に就いている例も珍しくなく、最長は40年を超えていた。

 もちろん、「高齢だから、長期間だから絶対駄目」ということはない。しかし、企業の取材をしていると長く在任する高齢の幹部が“老害”となっているケースは枚挙にいとまがない。本特集のテーマである「社外取はお付き合い人事によるお飾りなのではないか?」という点でも疑問が湧く。

 こうした超高齢社外取たちは、どんな企業でポストを確保し、何年くらい務めて幾らくらい報酬をもらっているのか。

 特集『社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列』では、日本の社外取9434人を徹底評価する複数の独自ランキングを用意している。今回のランキングでは、在任期間の長さと併せて高年齢の社外取100人を紹介する。上位には、シャープや新日鐵(現日本製鉄)など名門企業の大物経営者も入った。

 それでは次ページで、企業名と社外取の実名に加え、在任期間の長さについても確認していこう。ランキングには推計報酬額の合計も併せて掲載している。80代後半のある大物経営者は、複数の企業で社外取を兼務することで年間4000万円近くも受け取っている。高齢社外取の報酬は1000万円を超えることもざらだ。ここに登場する人物たちは、社外取に寄せられる「ガバナンス改革の主役」という期待に応えているのだろうか。