岸田首相参院選の主要争点である物価高対策で、政府与党の円安放置は無策の批判を受けても仕方がないものだが、野党が掲げる消費減税も正しい対応とは思えない(6月21日に行われた党首討論に臨む岸田首相) Photo:Anadolu Agency/gettyimages

参院選の物価高対策の議論
与野党ともに浮いている

 参院選で各党が公約で目玉政策として力を入れる物価対策は与野党ともに議論が浮いている。

 今回の物価高にはふたつの側面がある。ひとつはウクライナ侵攻を背景とする資源価格や穀物価格の高騰であり、もうひとつは円安加速でそうした資源や原材料の輸入価格が一段と急騰していることだ。

 前者を強調する自民党は「プーチンインフレ」と呼ぶ。後者を強調する立憲民主党などの野党はアベノミクス以来の金融緩和の見直しを行わない岸田政権を批判して、「岸田インフレ」と名付ける。

 今の物価上昇をウクライナ侵攻の影響がないとはいえないが、企業物価指数を見る限り、侵攻の始まる2021年初頭から急激な上昇が始まっていた。

 自民党のように全てをプーチン大統領の責任に帰すのは無理がある。

 かといって「岸田インフレ」という批判が正しいのだろうか。