「プレゼンテーション研修」で、“相手を動かす”テクニックを学んでみた

相手に、正しく分かりやすく伝えること――コロナ禍の“オンラインコミュニケーション”で、その大切さを多くの人が知った。プレゼンテーションやセールスプロモーションを行うビジネスシーンでも、「正しく分かりやすく伝えること」が仕事の結果を左右する。しかし、オンラインコミュニケーションのテクニックは、あまり語られることがなく、人から学ぶことも多くないだろう。書籍『プレゼンは「目線」で決まる』の著者・西脇資哲さん(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員/エバンジェリスト)による「プレゼンテーション研修」を受けてみた。(フリーライター 狩野 南)

オンラインコミュニケーションの上達を目指した研修

 ウィズコロナのこの時代、人と人とのコミュニケーションは、「オンライン」で行われることが圧倒的に増えた。ビジネスの現場でも、ミーティングやプレゼンテーション、商談などを「画面越し」に行うことはもはや当たり前になっている。しかし、対面なら雑談的な会話やその場の空気感で伝えられることも、オンラインだとなかなかスムーズにいかない。特にプレゼンテーションを行う際は、オンラインならではのテクニックを持つか持たないかで、その成果は大きく変わるだろう。

 私が今回参加した「プレゼンテーション研修*1 」には、「オンラインコミュニケーションをスキルアップする」という謳い文句が添えられている。“プレゼンテーション”という言葉から「営業職向け?」と思いがちだが、オンラインコミュニケーションの上達を目指した研修のため、受講者は、職種や業界、年齢や役職で限定されるものではない。ちょっとした会議で企画を発表する人や社内研修の講師など、他者に向けて情報を発信する立場にあるビジネスパーソンなら、誰もが受講対象となる研修のようだ。

*1 ダイヤモンド社の適性検査・社員教育・研修「オンラインコミュニケーションをスキルアップする プレゼンテーション研修

 その「プレゼンテーション研修」の講師を務めるのは、書籍『プレゼンは「目線」で決まる』の著者であり、日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員・エバンジェリストの西脇資哲さん。 “事前課題動画”と“研修動画”は、すべて西脇さんによるレクチャーで構成されている。

 まず、研修参加の前に、すべての受講者は3本の事前課題動画を視聴することになっていて、私も順番に沿って、その3本を視聴した。

 1本目の動画は、「オンラインで効果的なプレゼンテクニック」と題され、主にオンライン環境について解説したものだった。カメラやマイクといった機材の選択だけでなく、「明かりを受ける場所を選ぶ」「画面中に占める登場人物(自分)の割合を適切にする」など、少しの工夫でオンラインでの見え方が大きく変わることに驚いた。また、オンラインで大切なのは「リアクションファースト」だと、動画の中で西脇さんが説明する。先にリアクションし、映像で相手を引き付けておいてから内容をしっかり伝えるという方法だ。

 事前課題動画2本目の「オンラインセールスで成果を上げる」は、セールス活動に焦点を当てたつくりになっていた。お客様の元に何度も足を運ぶのと同じように、オンラインでもまめに連絡するのがポイントだという。また、相手のコミュニケーションツールや生活スタイルなど、周辺情報をよく知っておくことも重要と説く。

 3本目は、「相手を動かすプレゼンスライドの作り方」。オンラインで見せていくスライドのサイズに始まり、「色を多用しない」「画面をめいっぱい使わない」……など、具体的なスキルが惜しみなく披露されていく。

 これらの事前課題動画の視聴だけでも、私は、オンラインコミュニケーションやプレゼンテーションの知識をかなり得ることができた。