「大阪」沈む経済 試練の財界#1Photo:nurulanga/gettyimages, PIXTA

関西財界の「総本山」ともいえる関西経済連合会の松本正義会長が来春で就任から丸6年を迎え、「ポスト松本」に注目が集まっている。大阪・関西万博の招致や準備に中心的な役割を果たしてきた松本氏の後任には、財界のある大物幹部の名が浮上している。20回超にわたり公開予定の特集『「大阪」沈む経済 試練の財界』の#1では、大物幹部の実名とともに、この幹部の名が浮上する背景ともなった、関西財界が抱える難題について明らかにする。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)

関西財界“総本山”の関経連
「ポスト松本」がにわかに注目

 2017年5月に関西経済連合会の会長に就いた松本正義氏(77歳)は、現在3期目で来春に就任から丸6年となる。

 松本氏の前任で関西電力出身の森詳介氏も、17年まで6年間会長を務めた。関経連では会長の任期は定まっていないが、関西財界関係者の間ではにわかに「ポスト松本」の動向に注目が集まっている。

 松本氏は住友グループの名門、住友電気工業の出身者としては2人目の関西財界「総本山」のトップに就任。大阪・関西万博の建設費の寄付金集めなどで中心的な役割を果たしてきた。松本氏に代わり関西財界を束ねられる人物は存在するのか。

 実は、松本氏の後任として、財界のある大物幹部の名前がにわかに浮上している。次ページでは、最有力候補の実名とともに、この人物の名が上がる理由となった、近年の関西財界が抱える複数の難題についても明らかにする。