出世・給料・人事の「新ルール」#6Photo:AndreyPopov/gettyimages

血は水よりも濃し。上場企業の6割が「オーナー企業」とされる日本は同族企業大国だ。特集『出世・給与・人事の新ルール』(全10回)の#6では、創業家ジュニアが名を連ねる企業と「将来の社長候補リスト」を公開する。血統優先の有名企業の多さが判明した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

ファストリは「世襲」否定も
ジュニアを役員に登用

 ユニクロを運営するファーストリテイリングを1代で売上高2兆円の企業に育てたカリスマ経営者である柳井正会長兼社長。その子息である一海氏と康治氏の2人が取締役に就任したのは、2018年11月のことだ。

 柳井氏はかねて「息子の世襲はない」と断言してきた。だが、役員の出入りが多くトップダウンで物事を進めてきた企業なだけに、子息らの登用は「世襲前提の権限委譲」なのではないかとの臆測がくすぶり続けている。

 日本では意外にも、上場企業の6割強が創業家で経営などを行っている「オーナー企業」という調査もある。こうした創業家が意思決定に大きく関与するオーナー企業においては、その社員が社長を目指すことはまれであり、ジュニアなどの創業家一族が次期後継者の筆頭候補となる。

 そこで今回、「トップの親族が役員を務めている」主要な企業14社をリストアップした。そのほとんどが創業家ジュニアであり、いわば「将来の社長候補リスト」と言い換えることもできる。

 果たして、有力なジュニアが存在する企業はどこなのか。次ページで大公開する。