沈むゼネコン 踊る不動産#17Photo by Masami Usui

大手ゼネコンと大手住宅メーカーの10年間の売上高成長を比較すると、差は歴然。住宅メーカーが勝る。かつて大手ゼネコンは大手住宅メーカーよりも扱う物件が大きく、売上高で上回る格上の存在だったが、現在立場は逆転している。特集『沈むゼネコン 踊る不動産』(全20回)の#17では、大手ゼネコンと住宅メーカーの「実力格差」をあらわにした。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

ゼネコンと住宅メーカー
10年間の売上高成長で差が歴然

 建設の請負を本業とし、少子高齢化などで国内市場は伸びしろがなくてパイの奪い合い。ゼネコンと住宅メーカーは似た境遇にある。

 しかし、大手各社の売上高成長を見ると、差が歴然としている。2021年度と10年前の12年度の売上高を比較すると、総じて住宅メーカーが勝っている。

 かつて大手ゼネコンは大手住宅メーカーよりも扱う物件が大きく、売上高を上回る格上の存在だった。しかし、準大手ゼネコンもグループに抱える住宅メーカー大手、大和ハウス工業の売上高は、どのゼネコンをも上回る。しかも過去10年の間に2倍以上も規模を拡大し、ゼネコンにどんどん差をつけている(次ページ表参照)。

 ゼネコンと住宅メーカーはなぜ差がついたのか。どこで道は分かれたのか。