インフレは日本の財政に追い風?政府債務が26兆円目減りし、税収は8兆円上振れPhoto:PIXTA

政府債務目減り、税収は上振れ
財政の余力が高まる好機だが

 物価が上昇し始め、家計や企業への影響が懸念される陰で、財政には追い風が強く吹いている状況だ。

 インフレによって政府債務残高の実質価値が軽減される一方で税収増加が増えるという「隠れた効果」が生まれている。

 コロナ対策で財政赤字は膨らんだが、インフレ効果で2020年1月から22年8月までで26兆円も実質の債務価値が減価し、税収も21年度は前年比6.9%、22年4~8月は何と前年比9.0%も増えている。

 さらに物価上昇が目立ち始めてからも日本銀行が金融緩和を続けていることで国債の利払い費も低く抑えられている。

 まさに財政再建に向けて余力を増やす効果をもたらしているといえるのだが、一方でメリット以上に懸念される「負の効果」も起きている。