倒産危険度ランキング、総合版のワースト201~300を紹介する。上場企業3935社の倒産危険度を総点検。リスクの高い509社をあぶり出した。今回はコロナ禍の傷癒えぬ紳士服大手や空港運営会社が登場。他にも老舗の百貨店や身近なクリーニングで首位の企業など、意外な顔触れもランクインしている。特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』(全20回以上)の#10ではその実状に迫る。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
需要が減少して景気指標にも
ならなくなった紳士服
スーツに代表される紳士服は、かつては景気動向を把握する上で重要な指標だった。
ただ、その理由は物悲しい。景気が悪くなって家計の収入が減ると、まず父親の服飾代が削られる。そして、景気が良くなり収入が増えても、その増加分の分け前が父親の服飾代に回ってくるのは最後だからだ。
だから、景気が悪くなるときは先行指標、良くなるときは遅行指標として、景気ウオッチャーは紳士服の売れ行きを注視していた。
ところが、今は景気に関係なく、紳士服の売れ行きが振るわなくなってしまった。クールビズの普及で夏場にスーツを着る人は減少した。
そこに、コロナ禍によるリモートワークの普及である。オフィスに行かなければスーツを着る必要もない。
だから、本特集#7『倒産危険度ランキング2022【アパレル37社】7位サマンサタバサ、1位は?』で指摘したように、紳士服大手4社が“危険水域”に入っている。201位から300位の中にも、そのうちの2社がランクインした。
コロナ禍では、本特集#5『倒産危険度ランキング2022【航空・鉄道25社】4位西武、2位ANA、1位は?』で触れたように航空業界も大きな打撃を受けた。その影響は航空会社だけにとどまらない。
空港のターミナルや、事務所や格納庫の運営会社も打撃を受けた。そうした会社も201位から300位のランキングに入っている。
他にも老舗の百貨店や身近なクリーニングで首位の会社も顔をのぞかせた。次ページでは倒産危険度ランキングのワースト201位~300位を紹介するとともに、その実状に迫る。