暗号資産取引所FTX破産を申請
行き詰まった「錬金術」的経営手法
暗号資産(仮想通貨)取引所大手のFTXトレーディングは、11月11日に米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。
FTXの創業者でCEO(最高経営責任者)だったサム・バンクマン・フリード氏は辞職。負債総額は数兆円に達し、暗号資産業界で最大規模の経営破綻となることが見込まれている。
FTXが破産申請をしたことに伴い、新たにCEOに就任したのが2001年に破綻した米エネルギー会社エンロンの処理を統括するなど、経験豊かな企業再建の専門家、ジョン・J・レイ氏だ。
同氏が11月17日に裁判所に提出した資料では、「FTXでは資金流用や不適切な会計処理が横行しており、完全な企業統治不全に陥っていた」と報告されている。
レイ氏は、「私のキャリアにおいて、これほどまでの企業統治の完全な失敗、信頼できる財務情報の欠如を見たことはない」とまで言い切っている。
FTXの破綻は暗号資産業界が抱えてきた問題点を改めて浮き彫りにした形だが、コロナ禍の巣ごもりや超低利の下での暗号資産ブームの終焉(しゅうえん)を象徴する。
だが、問題はそれにとどまらない可能性がある。