総予測2023#58Photo by Masato Kato

新型コロナウイルス拡大で大打撃を受け続ける旅行・観光業界だが、業界大手・JTBの山北栄二郎社長は「23年以降は経済を支える」と意気込む。そして、足元では、“非・富裕層”と販売チャネルの間で「ニーズ変化」が起きているという。特集『総予測2023』の本稿では、JTBの山北栄二郎社長が、旅行・観光業界の展望を語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

観光業界「23年はむしろ経済を支える」
22年度下半期は国内旅行でコロナ禍前超え見込む

――2023年の旅行・観光業界の見通しは。

 間違いなくポジティブな年になります。新型コロナウイルス感染拡大で、観光業界が経済のマイナス要因でしたが、23年以降はむしろ経済を支えていきます。

 インバウンド需要は、政府の水際対策緩和と22年からの円安傾向も相まって、人数だけでなく消費額も大きく伸びるでしょう。中国からの観光客は感染者数が激増中であり戻りは遅いでしょうが、欧米からの需要は19年並みに戻る可能性があるとみています。

 国内旅行は22年度下半期にコロナ禍前の水準を超えそうで、順調に回復しています。そして、顧客ニーズが変容しています。

――具体的に何が変わったのでしょうか。

22年度下半期の国内旅行はコロナ禍前の水準を超える見込みで、順調に回復中。そして、足元では、“非・富裕層”と販売チャネルにおいて「ニーズ変化」が起きているという。次ページ以降では、JTB社長が全容を明らかにした。