40年前の「週刊ダイヤモンド」1982年1月2日号の特集『社長が選んだ現代の名経営者』では、当時の鹿島建設や東京電力、日本電気などのトップも名経営者に名を連ねたが、現在の「名経営者」にはそうした企業の首脳は出てこない。特集『社長が選ぶ現代の名経営者』(全6回)の#5では、40年前と現在という新旧の「名経営者」の顔ぶれを徹底比較。理想のリーダー像の変化を読み解く。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
40年前は激動の時代
新旧の「名経営者」比較
“戦国時代”の様相を呈している不確実性と激動の時代──。「週刊ダイヤモンド」1982年1月2日号の特集「社長が選んだ現代の名経営者」の中で、当時の経営環境はそう例えられている。2度のオイルショックや急速なインフレなどを経験し、日本はまさに大激動期にあったのだ。
生き残りに向けた企業経営のかじ取りが極めて難しい環境下で、当時の企業トップはどのようなリーダーを「名経営者」として注目し、自らの経営の“お手本”にしていたのだろうか。当時の名経営者の顔ぶれは本特集#4『松下幸之助と“宝塚を作った男”がトップ!40年前の社長が選んだ「名経営者」全16人』でも触れた。
次ページでは、40年前の名経営者の顔ぶれや実績などについて解説。本特集#1『社長100人が選ぶ「名経営者」ランキング【全57人】1位は経営の神様、2位は現役の大物』で紹介した、現在の現役経営者が選んだ名経営者の顔ぶれと比較する。かつてに比べ財界の大物や「重厚長大」企業のトップの存在感は薄れ、現役トップが理想とする現代のリーダー像が浮かび上がる。