行動制限が解除され、入国制限も大きく緩和されるなど、人々の生活は少しずつ「コロナ前」に戻りつつある。だが、一難去ってまた一難。ビジネスの世界では、円安や資材高が多くの企業を混乱のうずに巻き込んでいる。その状況下で、好決算を記録した企業とそうでない企業の差は何だったのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はコマツ、クボタの「建設・農業機械」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
コマツ・クボタ共に好調
しかし利益面はマイナス?
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の建設・農業機械業界の2社。対象期間は2022年22年5~9月期の四半期(2社の対象期間はいずれも22年7~9月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・コマツ
増収率:32.9%(四半期の売上高8549億円)
・クボタ
増収率:28.4%(四半期の売上高6937億円)
コマツは3割を超える大増収、クボタも3割に迫る増収で両社とも好調に見える。しかし、1社は利益面を見ると好調とは言えない状況だった。
次ページ以降で、2社の増収率の推移を見るとともに、どちらが業績に不安があるのか確認してみよう。