インフレは家計を追い詰める。生活防衛のためにやるべきことはないか。実は、お金を上手にやりくりする余地は、意外と残されている。特集『「お金」大全』(全17回)の#15では、「料金一括払い」「積み立て」「シニア割引」などを徹底的に活用するための参考情報をお送りする。情報アンテナを張っておこう。(ファイナンシャルプランナー 山口京子)
預金100億円の利息を上回る
「お得」な割引がゴロゴロ転がっている
預貯金の金利は今も地をはったままだ。定期預金が1000万円あったとしても、税引き前の利息はたった200円しかない。税金を引かれて残るのは160円だ。原材料高、円安などによる物価高で家計はじわりじわりと追い詰められている。今こそ、情報アンテナを「やりくり」「節約」に向けるようにしたい。預金10億円の利息を上回るような「お得」がゴロゴロしている。
まず、忘れてはいけないのは公的な支払いの「前払い」である。フリーランスや自営業者、大学生の子を持つ親などは、国民年金の保険料を2年分前納するだけで、1万5790円(口座振替の場合)安くなる。3.97%の割引だ。手続きがまだであれば、日本年金機構のウェブサイトから納付変更申出書をダウンロードし、それぞれの年金事務所に郵送する。毎年2月末が締め切りなので急いだ方がいい。
NHKの受信料は、1年前払いで約7%お得。さらにケーブルテレビへの加入を検討している世帯は、ケーブルテレビからNHKの受信料を払うと1カ月当たり200円、年間2400円お得になる。もし、家族が単身赴任していれば、その分も一緒に払うと単身赴任先の受信料は半額になる。
次ページ以降、保険、積み立て、シニア割引と、お得なサービスを順に見ていく。本文の後にある「割引情報・詳細版」と併せてご覧いただきたい。