長期金利、YCC「上限」超える
誘導幅再拡大はあるのか?
日本銀行が昨年12月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の下での長期金利(10年国債利回り)の誘導レンジを±0.25%から±0.5%へ拡大した。
だがこのことについて、金融市場では、所期の効果が得られず失敗だったとの評価が目立つ。
確かに、決定会合後も10年国債利回りの上昇圧力は、緩和されるよりもむしろ一層強まり、日銀は新たな上限である0.5%を防衛するために、政策決定後の約1カ月の間にグロスで約21兆円もの巨額の国債買い入れを行っている。
それにもかかわらず1月13日には10年新発国債の利回りが0.53%と誘導レンジの上限を超え、その事態は16日も続いた。
市場には、日銀がさらなる政策変更を迫られ、17・18日の金融政策決定会合で長期金利の誘導レンジの変動幅再拡大に踏み切るとの思惑があるようだ。
だが昨年末の政策変更の裏に「金融政策正常化の地ならし」の意味合いがあったことを考えると、新たな政策変更はYCCの枠組み自体に関わるものになると予想される。