世界景気の動向を示す「ドクター・カッパー」こと銅価格が、年初から騰勢を強めている。果たして、2023年の銅価格はどのように推移するのか。(マーケット・リスク・アドバイザリー共同代表 新村直弘)
年初から堅調な非鉄金属セクター
景気動向を示す銅価格は要チェック
非鉄金属セクターの価格が、年初から堅調だ。その代表が、銅である。ロンドン金属取引所(LME)で、銅価格は1月3日に1トン当たり8390ドルだったのが、わずか8日後の同月11日には9000ドルを超えるほど騰勢を強めている。
銅は自動車や電子部品、電線など幅広い用途がある。このため、銅価格は世界の景気動向を示す「ドクター・カッパー」と呼ばれる。また、世界の銅消費量のうち5割以上を占めている最大消費国は、GDP(国内総生産)世界第2位の中国だ。銅価格の動向は、中国の経済状況も占うこともできる。
では、世界景気と中国の経済状況を探ることができる銅価格は、どのように推移するのか。短期、中期、長期の視点で考えてみたい。