自民党本部Photo:PIXTA

限界に来たYCCでの金利抑制
低利時代終焉、次は国債管理政策

 財務省は年明けの1月5日に実施した10年国債の入札で、表面利率(クーポン)を、2014年12月以来の8年振りの水準である0.5%に引き上げ、実際の最高落札利回りも同じ0.5%に達した。

 これは日本でも低金利時代が終焉しつつあることを意味する。

 世界的なインフレ局面への転換で金利上昇圧力が強まっており、日本銀行は昨年12月の政策決定会合でイールド・カーブ・コントロール(YCC)の長期金利上限引き上げを余儀なくされ、4月に就任する新総裁の下で金融政策の段階的な正常化を迫られている。

 10年近くの長きにわたり、アベノミクスの下、日銀の異次元緩和の恩恵にあずかってきた国債管理政策や財政運営はいよいよ正念場を迎えることになるのだ。

 自民党内では、国債費軽減や防衛費増額の財源確保をもくろんで、国債の「60年償還ルール」を見直す動きがある。

 だが市場の不信がさらに強まり、YCCによる金利抑制に限界が見えてきている状況では、国債金利のさらなる急騰を招くだけだ。