コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度の牛丼チェーン編だ。
松屋・すき家・吉野家…
「真の勝ち組」はどの牛丼屋?
牛丼チェーンの主要3社が発表した22年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯吉野家(吉野家ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比108.1%(8.1%増)
11月度:同103.0%(3.0%増)
12月度:同104.5%(4.5%増)
◯すき家(ゼンショーホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比111.3%(11.3%増)
11月度:同111.3%(11.3%増)
12月度:同105.4%(5.4%増)
◯松屋(松屋フーズホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
10月度:前年同月比110.2%(10.2%増)
11月度:同105.2%(5.2%増)
12月度:同107.2%(7.2%増)
22年12月において、吉野家、すき家、松屋の3社全てが前年実績を超えた。トップは松屋(107.2%)で数値が最も低かったのは吉野家(104.5%)だ。その差は2.7ポイントある。
実は、松屋・すき家・吉野家の間には、この数字だけでは見えてこない「圧倒的な業績格差」がある。前年実績は超えている牛丼3社だが、「勝ち組」と「負け組」がハッキリ分かれてしまう。
では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けてきた牛丼業界の中で、「真の勝ち組」はどの会社なのか。各社の月次データを時系列で確認すると、表面の数字では読み取れない「裏側」が見えてくる。