対話軌道に戻ったばかり
米中に新たな緊張
中国から飛来し米領域に侵入した気球を、米軍がミサイルで撃墜した問題は、米中の対立をさらに一段引き上げかねない危険性をはらむ。
気球飛来に対して米国議会、特に共和党やトランプ前大統領は、バイデン大統領は中国に弱腰だとして批判を強め、数日内に予定されていた米中外相会談もキャンセルされ、気球もサウスカロライナ沖で撃墜された。
中国は報復措置があり得ると、猛反発している。
何やら60年以上前の、決定付けた米国のU2偵察機のソ連領域侵入・撃墜事件を彷彿させる。
対話軌道に戻ったばかりの米中関係は再び悪化せざるを得ないが、懸念されるのは、これが本当の米中衝突の引き金になってしまわないかだ。