マクドナルドPhoto:Diamond

新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスの「ファストフード」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

日本マクドナルドHD好調も
コスト高騰で各社値上げ

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファストフード業界3社。対象期間は2022年8~12月期の直近四半期(3社いずれも22年10~12月)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・日本マクドナルドホールディングス
 増収率:13.8%(四半期の売上高924億円)
・モスフードサービス
 増収率:10.6%(四半期の売上高227億円)
・日本KFCホールディングス
 増収率:8.5%(四半期の売上高289億円)

 ファストフード3社はいずれも前年同期比で増収となった。中でも、日本マクドナルドホールディングスとモスフードサービスは2桁増収だ。

 しかし、原材料費高騰の影響は大きく、3社とも値上げが相次いでいる。コストアップの影響で利益面は厳しい状況だ。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、商品はどれくらい値上がりしているのか、また利益面も見ていく。