全人代で見えた習氏の思惑
治安など3分野を共産党直轄に
13日に終わった中国の全国人民代表者大会会議(全人代)の最大の眼目は、「米中衝突」に備える体制の構築にあったと考えられる。
習近平総書記の異例の国家主席三期目が決まったが、これは三期(残り5年)で終わるということではなく、おそらく今後10年の独裁体制を色濃くしたと言えるだろう。
習氏は首相に側近の李強氏を据えたが、李氏は副首相などの政府要職経験がなく、また政治局常務委員や4人の副首相にも後継となるような人物も見当たらない。
従来のように首相が経済運営について責任を持つという体制が変わり、習氏が経済も含めて実質的に差配すると考えられる。
さらに治安、金融、ハイテクの三分野を共産党の直轄とすることも決められた。これから米中対立が厳しさを増すこと想定し、習氏が不安を感じる三分野について共産党が直接監督する体制を作るということなのだろう。
実際に米中衝突が現実のものになるのか、今後の米中関係は3つのことが鍵になってくる。