欧米で金融不安が再燃
クレディ・スイスはUBSが合併
欧米で前週、金融不安が再燃し、米国では中堅銀行のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が相次いで破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入った。
一方、かねて不祥事等で信用力が劣化していたスイスの銀行大手、クレディ・スイスは今回の米銀破綻の影響を受け、株価が一段と下落、金融当局は破綻の連鎖を食い止める対応に追われた。
19日には、スイス政府の強い後押しで、スイス金融最大手のUBSが、クレディ・スイスを30億スイスフランで買収することで合意したことが発表された。
スイス国立銀行は2社に最大1000億スイスフラン(約14兆円)の流動性支援融資を行うと表明。スイス政府はUBSに90億スイスフランの政府保証も提供する。
米欧日の中央銀行が3年ぶりのドル資金供給を打ち出すなど、予断は許されないが、金融危機に発展する事態は避けられそうな状況だ。
だがその一方で、筆者が中長期的な観点で注目するのが、世界の緊張を高める太平洋地域における二つの「30兆円投資」だ.