三菱ケミカルのMuse細胞開発中止に研究者が前代未聞の訴え、「つぶそうとする人物」とはPhoto:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

「Muse細胞騒動」は再生医療開発の分岐点になるのか。2月14日、Muse細胞の発見者である東北大学の出澤真理教授が都内で緊急記者会見を開催。開発していた三菱ケミカルグループが臨床試験のデータを「改悪したのではないか」と前代未聞の疑義を訴えた。

 企業側があえて自社に不利益な方向にもっていくとは考えにくいが、出澤教授は三菱ケミカルGが提示してきた臨床試験のデータは「奇妙な結果」と説明する。同社からの報告ではMuse細胞の効果は見られなかったが、反対に治験担当医らが独自に解析した結果は改善する傾向が見られたという。

 出澤教授は三菱ケミカルGがデータをわざわざ改悪した意図を「わからない」とひたすら明言を避けていたが、とある人物の存在をちらつかせていた。記者会見の冒頭に、次のように発言している。