中学受験の要である算数は、ただ解ければいいというものではない。実は、複数の解き方である「別解」を多く知ることで、受験に有利に働くのだ。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#6では、その理由について、例題を用いて詳述した。ぜひ、保護者にも知っておいていただきたい。(志進ゼミナール、東大卒プロ算数講師 小杉拓也)
27.5万部突破の算数ドリル作者が明かす
算数の「別解」が受験に有利な理由
例えば、親御さんがお子さんに、(複数の解法がある)算数の問題を教えるとき、一つの解き方だけを教えていませんか?
中学受験対策は時間に追われるため、「別解(複数の解き方)を教える余裕なんてない」という気持ちも分かります。でも、ここであらためて「別解を知る大切さ」について考えてみるのはいかがでしょうか。
中学受験の算数に限らず、さまざまな問題について言えることですが、一つの問題について、できるだけ多くの解き方を学ぶことを習慣にしている子は、結果的に伸びやすい傾向があります。
例えば、受験算数の一単元である「方陣算」の問題を例に考えてみましょう。下の問題文をご覧ください。
ここでは三つの解き方を紹介していますが、この問題は1辺の個数(6個)が比較的少ないので、実際に図をかいて、力ずくで数え上げるのも方法の一つです。
ではなぜ、できるだけ多くの別解を習得した方がよいといえるのでしょうか?その理由は主に二つあります。次ページでは、その理由について詳述しましょう。