コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場70社超、23業界の月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度の家電量販店編だ。
ビックカメラ、エディオン、ケーズデンキ…
コロナ前から増収の「勝ち組1社」は?
家電量販店の主要3社が発表した2023年3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯ビックカメラ+コジマ(ビックカメラ)の売上高
3月度:同96.8%(3.2%減)
◯エディオンの全店売上高
3月度:同97.2%(2.8%減)
◯ケーズデンキ(ケーズホールディングス〈HD〉)のグループ売上高
3月度:同94.4%(5.6%減)
3月度の実績において、3社とも前年実績に届いていない。数値が一番高いエディオンと、数値が一番低いケーズデンキの差も2.8ポイントと僅差だ。数値をざっくり捉えるならば“どんぐりの背比べ”状態だ。
しかし、時系列に沿って各社の数値を分析すると驚くべきことが分かる。新型コロナウイルス感染拡大前から売上高を伸ばしている「勝ち組」が1社だけあるのだ。
「勝ち組」はいったいどの会社なのか、当ててみてほしい。