インバウンド需要も急回復
成長の柱に「3つのキーワード」
新型コロナウイルス感染症が8日から、感染症法上の「5類」に引き下げられ、季節性インフルエンザと同じ位置付けになったが、3月分の訪日外国人観光客数は、2月を34.2万人上回る181万7500人となり、コロナ禍前の19年の2月の66%の水準まで回復した。
3月分までの実績値と、従来、訪日客が最大だった中国からの入国規制緩和の影響を反映して、今後の訪日外国人客数を推計すると、今年8月にはコロナ前の19年同月の水準を上回る見通しだ。
昨年10月の水際対策緩和から1年足らずという予想を超える早さでの回復だ。
外国人1人当たりの消費額に基づいて推計した23年のインバウンド需要は、5兆9458億円となり、同年の(名目および実質)GDPを1.07%押し上げる計算だ。
交通インフラの利便性や観光資源の豊さなど、日本の観光産業のポテンシャルは高く、インバウンド需要取り込みは成長戦略の柱になる可能性はある。
今後、世界一の観光大国を目指すには、「深掘り」「地理的拡大」「リスク分散」がキーワードになる。