迷惑動画頻発と「政治の劣化」
社会の根深い構造問題に由来
若者による迷惑動画のSNSでの拡散が止まらない。
愛知県の回転寿司チェーン「くら寿司」の店舗で、しょうゆ差しのそそぎ口に口をつける動画を投稿したとして、3人の若者が威力業務妨害容疑で3月に逮捕された。
4月にも栃木県の焼き肉店で、使用後のつまようじを容器に戻す動画を投稿したとして、2人の男が偽計業務妨害の容疑で逮捕されている。
こうした店舗の業務を妨害する迷惑動画(不適切動画)の拡散は、「バカッター」や「バイトテロ」とよばれた2013年あたりから注目され始めたものだ。
いかにおバカな若者であっても、ちょっと考えれば、刑事や民事の両面で法的責任を問われるかもしれないという、結果の重大性はすぐに分かりそうなものだ。にもかかわらず、一向になくなる気配がないのはなぜなのか。
若者だけではなく、政治の世界でも首相秘書官が性的少数者(LGBTQ)や同性婚への差別発言で更迭されたりすることが起きている。
これらは一部の無思慮な人たちの暴走にすぎないのか?しかし私はここに、日本の社会構造に由来する根の深い問題が潜んでいると思う。