[激変]生保・損保・代理店 保険大国の限界#11Photo:PIXTA

物価高が生活を圧迫する中で、固定費である生命保険料の見直しに着手する人も多いだろう。ただし、やみくもに今加入している保険を解約すればいいわけではない。特集『[激変]生保・損保・代理店 保険大国の限界』(全22回)の#11では、ライフステージに合わせたリスクを見極め、自分に最適な保険を選ぶ、最強の見直し術を解説する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

生活コスト上昇は生保見直しのきっかけに
押さえておきたい超基礎知識とは

 電気代が、6月使用分から15~40%程度、値上がりすることが決まった。2022年初から始まった物価上昇は、容赦なく人々の生活コストに跳ね返っている。

 そこで考えたいのが、毎月支払っている生命保険の見直しだ。生命保険文化センターによれば、21年の1世帯当たりの年間保険料は37万1000円。家計に占める割合は光熱費に匹敵する大きさだろう。

 ただし節約しようと、やみくもに保険料の安い商品に乗り換えればいいわけではない。

 生命保険は、万が一の死亡や病気などで発生する、経済的リスクに備えるものだ。保険料が安いということは、保障の範囲や金額が小さくなる場合がある。保険料を安くすることだけを考えて見直しをした結果、本来、備えておくべき保障を満たしていない状況になってしまえば、元も子もない。

 では、具体的にどのように見直しをすればいいのか。生保会社は現在42社もあり、数え切れないほどの商品がある。その人に最適な生保商品の組み合わせを導き出すのは簡単ではない。

 ただし、失敗しない見直しを進めるための、最低限押さえておくべき考え方と知っておきたい知識がある。今回は、見直しをざっくりと三つのステップに分けて、それぞれのステップで知っておくべき内容を整理した。それでは順を追って解説していこう。