ハーバードビジネススクールのラモン・カザダスス=マサネル教授は、23年の1月にハーバードビジネススクールの学生と日本に滞在し、現地実習である「フィールドスタディ」を行った。そんな教授が、日本で現地研修を行ってまで学生に深く学んでほしいと考える「視点」とは?(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)
日本は「小さな親切」に
あふれている
佐藤智恵 カザダスス=マサネル教授は2023年1月2日から14日まで日本に滞在し、「フィールドスタディ」の担当教員を務めましたが、今回の現地実習で最も記憶に残っていることは何ですか。
ラモン・カザダスス=マサネル 今回の現地実習では 45人の学生とともに数多くの日本企業や観光地を訪問し、日本の素晴らしさを堪能することができました。印象に残ったことは数え切れないほどありますが、あえて一つ、挙げるとすれば、最終日、東京で開催されたイベントで学生が行ったプレゼンテーションでしょうか。
このイベントでは、学生全員に「日本での現地実習から学んだこと」をテーマに1枚の写真を投影しながら2分間ずつ発表してもらいましたが、多くの学生が「日本人の優しさと温かさに感動した」と語っていたのが印象的でした。
たとえばある学生は空港でのこんな出来事を話してくれました。