シンガー・ソングライターの
吉田拓郎と奥田民生

シンガー・ソングライターの吉田拓郎シンガー・ソングライターの吉田拓郎 Photo:JIJI

 広島「みなみ」高校という。広島市南区にある。1901年創立の県立広島高等女学校を前身とする。戦後の学制改革で新制・広島皆実高校になった。「文武両道」が徹底している高校だ。

 最も名前が通っている卒業生は、シンガー・ソングライター、作詞・作曲家の吉田拓郎だろう。フォークとロックを邦楽のメインストリームに引き上げた功労者だ。

 皆実高校時代からウクレレ、ギターでバンド活動や作曲を始め、72年にアーティスト兼プロデューサーとしてCBSソニーに入り、『結婚しようよ』が爆発的なブームとなった。サブカルチャーだったフォークをメインカルチャーに浮上させた。

 野外コンサート(つま恋でのフォークライブなど)、テレビ出演、ラジオの活用、CMソングの作曲、音楽プロデューサーとしての仕事など、さまざまな新しい道を次々と開拓した。「拓郎」の名前通りだ。

 人気曲としては、『落葉』『人間なんて』『春を待つ手紙』『唇をかみしめて』など、たくさんある。

 シンガー・ソングライターで、80年代後半~90年代初めにバンドブームの中心的な役割を果たした「ユニコーン」のボーカル・奥田民生の名も知れ渡っている。『大迷惑』『すばらしい日々』など数々のヒット曲を送り出した。ソロ活動では『愛のために』『さすらい』などが代表作だ。

 奥田は広島皆実高校では、吉田の20年ほど後輩に当たる。音楽プロデューサーとしても活動し、「井上陽水奥田民生」をはじめとしたさまざまなミュージシャンとの協業でも成功を収めている。

 磯部正文はギタリスト、ミュージシャンだ。HUSKING BEEのボーカリストだ。

 OGでは、ミュージシャン、ファッションモデルのMEGがいる。日本と英国を股にかけて活動している。

 前身の広島県立広島高等女学校出身では、ブルース歌手の二葉あき子がいた。戦前からの人気歌手で、代表曲に『さよならルンバ』『水色のワルツ』などがある。

 NHK紅白歌合戦に51年の第1回から10年連続で出場した。11年8月に96歳で死去した。

 高女出身ではさらに、女優の月丘夢路・月丘千秋姉妹もいた。2人とも宝塚音楽歌劇学校の出身で1920年代の生まれだ。夢路は17年5月に、千秋は15年5月に死去した。