すき家と松屋Photo:Diamond

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場49社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年6月度の牛丼チェーン編だ。

「圧倒的な勝ち組1社」は〈うなぎ〉にも注力!

 牛丼チェーンの主要3社が発表した23年6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯吉野家(吉野家ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 6月度:同116.6%(16.6%増)

◯すき家(ゼンショーホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 6月度:同119.8%(19.8%増)

◯松屋(松屋フーズホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 6月度:同111.3%(11.3%増)

 3社とも前年実績を10%以上、超えている。そこまで大きな差は見られない。

 しかし、実は吉野家・すき家・松屋の間には、この数字だけでは見えてこない「格差」がある。さらに各社の月次データを時系列で確認すると、コロナ禍をものともせず大幅に増収している「圧倒的な勝ち組1社」があることも判明した。

 その1社を示す第1ヒントは、夏の風物詩でもある「うなぎ」を、いち早く販売してきた牛丼チェーンだ。第2ヒントは、うなぎ(どんぶり)発売当初は、550円で提供していた。さらに第3ヒントとして、その会社の現在の牛丼(並)の販売価格は400円である。

 これで分かったあなたは牛丼チェーン・マニアといっても過言ではないだろう。答えはどこか、当ててみてほしい。