大和ハウス工業 三刀流の異端経営#6Photo:wakila/gettyimages

5兆円企業が目前となった大和ハウス工業の社員の給料と出世事情に迫る。特集『大和ハウス工業 三刀流の異端経営』(全6回)の最終回では、「モーレツ営業」という共通点がある大和ハウス、住友不動産、オープンハウスグループの3社の「スーパー営業マン」の給料も比較する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

大和ハウスの「モーレツ営業」
実は個人の実力だけで給与反映されず

「商売は足と根性である」

「今日の仕事は明日へ残すな」

「営業は断られた時に始まり 受注は苦情のあるところから出てくる」

 大和ハウス工業の新入社員に配られる“聖書”『わが社の行き方』では、創業者の石橋信夫氏が約140ページにわたって数々の金言を記している。

 大和ハウスの躍進を支えたのは、創業者の教えを忠実に実行した「モーレツ営業」の“野武士軍団”である。

 もっとも人間は、正直な生き物である。果敢な営業に励むのは、“ご褒美”があるから。つまり、カネ、給料である。

 ところが、である。大和ハウスから別の不動産デベロッパーに転職した「モーレツ営業マン」は、古巣への不満をこう打ち明ける。

「大和ハウスは個人の実績がボーナスにそれほど反映されない。それに納得できなくて辞めた」

 いったい、どういうことなのか。

 次ページからは、大和ハウスのキャリアパスとモデル年収、ボーナス査定の仕組みを初公開する。大和ハウスが個人の実績だけでボーナスが決まらない複雑な仕組みにしたのには、訳があったのだ。

 そして、大和ハウスに加え、不動産業界で「モーレツ営業」の呼び声が高い住友不動産、オープンハウスグループの「スーパー営業マン」の年収実額もつまびらかにする。20代で1500万円超えの年収を誇るのは、どの会社のスーパー営業マンか。