高齢化や働き方改革で人手不足に悩まされている建設業界。過去データやベテランの知見を活用した業務効率化による受注増を求め、有力ゼネコンがAI技術の導入に必死に取り組んでいる。特集『コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別』(全30回)の#4では、ゼネコン各社にAI技術を提供する東京大学発のAIスタートアップ企業に、すぐに役立つChatGPTのプロンプトを伝授してもらった。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
専門分野の回答が苦手なChatGPTを
建設業で使えるツールにカスタマイズ
建設業界でAI(人工知能)技術の活用が進んでいる。大成建設などスーパーゼネコンから北海道最大手の岩田地崎建設といった地場の有力ゼネコンまで、積極的に導入を模索している。そんなゼネコン各社にAI技術を提供しているのが、東京大学発のスタートアップ企業、燈(あかり)だ。
これまで集積した設計図書や、コンピューター上に建物などの立体モデルを構築するBIM(Building Information Modeling)をはじめとする、建設データを用いたアルゴリズム・AI技術を活用するため、同社はChatGPTなどの大規模言語モデル(Large Language Models)を建設業のデータ・ツールに特化したサービスの提供を開始した。
建設業界でAI導入が活発化している背景には、時間外労働の上限規制の適用開始、職人高齢化による人手不足、資材価格の高騰という三つの課題がある。このため、ゼネコン各社は現場での残業を減らせるように、書類作成を効率化する技術、ベテラン職人の経験や技術を継承できる仕組み、公開情報と社内の知見を結び付けるツールを必死に求めている。
燈はこれらの課題を解決しようと、建設業界固有のデータを取り込んだAI・アルゴリズムを構築してきた。ChatGPTは、一般常識やウェブデータを背景に応答するのは得意だが、単体で専門知識を使って回答するのは苦手だ。そこで同社は独自の技術を結び付けてカスタマイズ。建設各社の実情に合わせ、業務で活用することを可能にした。
建設業界のAI活用でトップランナーの同社から、業務効率化と受注増にすぐに役立つChatGPTの具体的な例文(プロンプト)三つを特別に伝授してもらった。