今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い鉄道会社ランキング」を作成した。対象は上場している鉄道会社で、対象期間は、2021年4月期~22年3月期。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。
日本人にとっては非常に身近で、各地域の主役的な存在である鉄道。そんな鉄道会社に勤める鉄道マンたちの年収はどれくらいなのか、早速、ランキングを確認していこう。
1位は神奈川県の相鉄HD
2位は阪急阪神HD
1位になったのは相鉄ホールディングス(HD)で、平均年収は832.6万円、従業員数は80人、平均年齢は49.5歳。相模鉄道を中心にグループ32社を統括する純粋持ち株会社で、単体従業員数は80人だが、運輸・流通・不動産・ホテル業などを営む相鉄グループ全体を合わせると従業員数は約1万人となる。
相模鉄道は神奈川県東部エリアを基盤としているので、神奈川県民以外はあまり接点がなかったかもしれないが、2019年にはJRとの相互直通運転を開始、新宿駅などで12000系車両の姿を見かけるようになった。さらに今年3月のダイヤ改正で東急と直通し、東京メトロ副都心線、南北線・埼玉スタジアム線、都営三田線、東武東上線ともつながった。
2位は阪急阪神ホールディングスで、平均年収は819.2万円、従業員数は204人、平均年齢は42.9歳。2006年に、阪急電鉄などの阪急東宝グループの持ち株会社である阪急ホールディングスが、阪神電気鉄道を経営統合してできた企業だ。同社は、鉄道、バス・タクシー、不動産、旅行会社、国際物流などを行うグループ会社を擁し、全体では従業員数約2万3000人という関西の巨大グループである。
3位は西武ホールディングスで、平均年収は795.8万円、従業員数は352人、平均年齢40.9歳。東京~埼玉を走る西武鉄道のほか、西武・プリンスホテルズワールドワイドなど約80のグループ会社を擁する。
4位は東急で、平均年収は745.4万円、従業員数は1414人、平均年齢43歳。鉄道事業を行う東急電鉄は2019年に分社化された100%子会社で、東京~神奈川を走る。
5位は京阪ホールディングスで、平均年収710.8万円、従業員数は132人、平均年齢44.8歳。京都・大阪・滋賀を走る京阪電気鉄道のほか、叡山電鉄、京福電気鉄道なども同グループである。
上記5社を含む全25社を見ると、平均年収が800万円以上の企業は2社、700万円以上の企業は6社、600万円以上の企業は14社となった。
ここまで、JRグループが1社も含まれていないことに気付いた方もいるだろう。ランキング完全版では6位以下の全25社を掲載している。JR東日本、西日本、東海といった企業も登場するので、ぜひチェックしてほしい。
(ダイヤモンド編集部 吉岡綾乃)