損保協会長会見に異例の注目
ビッグモーター問題に質問が集中
9月8日に損害保険ジャパンが記者会見を開いて白川儀一社長が辞任を発表して以降も、ビッグモーター(以下、BM)問題に揺れる損保業界に落ち着く気配はない。
同19日には金融庁が損保ジャパンへの立ち入り検査に着手し、20日には金融庁が三井住友海上火災保険に対して追加で報告徴求命令を出した。そして、21日の損保協会長会見ではBMに関連した質問が相次いだのに加え、会見の様子が中継されるなど、協会長会見がかつてないほど異例の注目を浴びる事態となっている。
その21日に行われた損保協会長会見の冒頭、今年度の協会長である、あいおいニッセイ同和損害保険の新納啓介社長は、BM社による保険金の不正請求問題と保険料調整行為、いわゆるカルテルの2点に関して「社会問題化し、損保業界の信頼が揺らいでしまった」と陳謝した。
その後の質疑応答では大半がBMに関する質問となった。主に、前会長である損保ジャパンの白川社長について、そして簡易調査、事故車の入庫紹介の是非についての質問が集中した。
まず、前任の協会長であり、現在は損保協会の理事を務める白川前会長について、「どのような引き継ぎがあったのか」「同日開催された理事会ではどのような発言があったのか」との質問に対し、「本件に関する引き継ぎはない。BMについては個社の立場で発言されていたと認識している。理事会の冒頭に謝罪の言葉があった」と答えた。
あわせて、「9月8日の損保ジャパンの会見で白川社長の『BMはクロと推測される』という発言があり、不正の可能性を認識しながらも取引を再開したが、損保協会の理事としてふさわしいのか」については、「在籍中はこの問題について真正面から取り組む」との発言があり、理事を辞めるという話にはなっていないとの回答だった。
次に、事故車の入庫紹介の是非、簡易調査について新納会長はどう答えたのか。また、BM問題に関する三井住友海上に対する追加報告徴求についても見ていこう。