知的財産からの法人所得税軽減
「イノベーションボックス税制」創設を要望
技術革新やイノベーションの創出の鍵を握る「スタートアップ(新規創業)」支援や国内投資促進を狙って経済産業省は、令和6年度(2024年度)税制改正要望で、「イノベーションボックス税制」の新設を掲げた。
イノベーションの結果、得られた特許権や著作権で保護されたソフトウエアなどの知的財産から得られる所得(ライセンス所得、譲渡所得、対象となる知的財産を用いて製造した製品の販売益)に通常の法人税率より低い優遇税率を適用する制度だ。
岸田文雄首相が新しい資本主義の一環としていくつかのスタートアップ支援策が行われてきたが、企業創設の際の投資や研究開発段階の支援ではなく、イノベーションに成功し収益を上げている企業への税制面での優遇が打ち出されるのは初めてだ。
知的財産からの所得への課税を軽減することで企業のイノベーションへの意欲を高め、成長や税収増につなげる狙いの税制は欧米では導入されている。
日本の新制度はイノベーション促進の推進力にどこまでなれるのかは、今後、制度の細部がどのようになるかで大きく左右されそうだ。