2012年から18年にかけての
日本の全要素生産性の成長率(年率平均)

日本の生産性の低さは産業政策の不在のせい?政策の失敗を見直すべきだ2012年から18年にかけての日本の全要素生産性の成長率(年率平均) *EU KLEMSのデータを基にみずほ証券試算

 日本は生産性が低い。生産性の伸びも鈍い。成長戦略が必要だ。政策界隈やマクロ分析業界では、耳にたこができるほど繰り返されたフレーズである。

 確かに、日本の生産性は長らく伸び悩んできた。その背景として指摘されるのが、旧態依然とした日本の商慣行や規制の存在、先見性ある産業政策の不在などだ。

 しかし、このような玉石混交の議論はデータに基づいて精査される必要があるだろう。

 というのも、日本のTFP(全要素生産性、生産性の指標の一つ)成長率が米独の後塵を拝した時期は、専ら1990年代から2012年である。12年から18年にかけてのTFP成長率は年率平均+0.57%と、米国の+0.4%、英国の+0.64%、ドイツの+0.74%に引けを取らない。