SOMPOホールディングスが公表した
社外調査委の中間報告書を深掘り
中古車販売大手ビッグモーター(BM)の保険金の不正請求問題で揺れる損害保険ジャパン(SJ)。親会社のSOMPOホールディングスは10月10日、社外調査委員会が取りまとめた中間報告書を公表した。
この報告書は主に、BMによる保険金の不正請求を損保ジャパンが認識しながらも、いったんは停止した事故車両の入庫紹介をあえて再開するに至った経営判断について、明らかにすることを目的としたものだ。そして、一連の問題が起こった結果として、「過大な保険金の支払いは、損害保険制度に対する社会の信頼を大きく損なうものである」と総括している。
では、中間報告書のポイントを取り上げつつ、報告書に記載されていない点も盛り込むことで、入庫紹介の再開という経営判断に至った経緯を深掘りしていこう。
ポイントとなるのは、2022年5月16日にSJの新任社長である白川儀一社長が他損保社長の前で恥をかいたこと、BMの自主調査シートが改ざんされたことを知っていながらSJが正式に受領したこと、BMの自主調査と並行して行われた他損保の水面下の動きによりSJの中で疑心暗鬼が広がっていった経緯、7月6日の経営判断のプロセスが相当に粗雑だったなどの点だ。