ハーバード(C)Harvard Business School

『ガラスの天井を破る戦略人事』の著者、ハーバードビジネススクールのコリーン・アマーマン氏は、日本の育休制度を「世界の中でも最も手厚い」と評価する。一方で、制度利用者が増えない現状には疑問を呈する。今の日本が抱える、ジェンダー平等実現への根深い課題とは。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)

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ジェンダー平等には
「男性の意識改革」が不可欠だ

佐藤智恵(以下、佐藤) 『ガラスの天井を破る戦略人事』では、ジェンダー平等を実現するためには男性側の当事者意識を高めて、協力してもらうことが不可欠だと繰り返し述べています。なぜ、男性の意識や行動が実現への鍵となってくるのでしょうか。

コリーン・アマーマン(以下、アマーマン) なぜなら権力を持っている人の大半は、男性だからです。変革を起こすには、何よりも権力が必要です。この問題に本気で取り組んでくれる男性リーダーがいなければ、ジェンダー不平等は永遠に解消されないままです。

 例えば、米食品メーカー、キャンベルスープカンパニーの元CEOのダグ・コナント氏は、CEO就任早々、女性の活用を経営戦略の核として掲げ、女性リーダーの登用や育成に尽力し、企業再生に成功しました。また、英BBCのジャーナリスト、ロス・アトキンス氏は、自分のニュース番組の出演者の男女比を50:50にするプロジェクトを始め、その後、この取り組みはBBC全体へ広がっていきました。結局のところ、影響力のある地位に就いている男性が動いてくれなければ、扉は開かないのです。

佐藤 どういう男性リーダーが、女性の味方になってくれやすいのでしょうか。