新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はコマツ、クボタの「建設・農業機械」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
コマツ・クボタ共に大幅増収
利益面も好調
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の建設・農業機械業界の2社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(2社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・コマツ
増収率:17.8%(四半期の売上高8996億円)
・クボタ
増収率:10.8%(四半期の売上高7385億円)
両社とも2桁増収で、海外で需要が好調なことが売上高の増加につながっている。さらに、利益面も大幅な増益を記録している。
次ページ以降では2社の増収率の推移を見るとともに、利益面の状況も見ていく。