2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾#14

働き方改革の影響で、わが子の中学受験に積極的に参加する父親が急増しているが、父親の参戦はプラス評価だけでなく、夫婦間の新たな火種になるケースもある。中学受験マニアの父親4人が熱く語った200分の中で、濃密な部分を雑誌版の3倍超のボリュームで4回に分けて紹介する。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#14では、「PDCA父さん問題」など、中学受験をビジネス的に捉える是非や、使えるウェブサービスなどについてお届けする。(構成/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。
【座談会参加者 名前の右はXのアカウント】
エロイーズさん(江口) @Gimlet71004011
 小6男子、小4女子、小1男子の父親。本人は筑駒→東大。長男はSAPIXから進学校を目指す。別名は江口。趣味は過去問研究。
茂山起龍(茂山) @kiryushigeyama
 中学受験指導塾・應修会を経営。2023年に長男が受験。次男の伴走も。塾と保護者の両方の視点で鋭く分析。自身は中学受験で早慶付属に。
パパと娘の中受沼S25最中&S22終了(パパ) @S2025_S2022
 22年2月に長女がSAPIXで中学受験。現在は、次女の25年2月の合格を目指して伴走中。次女はSAPIXのアルファベット上位(上位3割程度がαクラス、それ以下がアルファベットクラス)。
勉三パパ・中学受験2024(勉三) @juken2024
 長女は6年前に持ち偏差値10以上も上の学校に合格。次女は6年生で四谷偏差値は60台前半。「残高減っても偏差値減らすな」がポリシー。

中受にコミットする父親が増加する一方で
「PDCA父さん」など新たな問題も?

――最初に、父親としての中学受験に対しての関わり方を教えてください。

勉三 うちは最初から中学受験をしようと決めていました。僕の出身は東京都文京区で中学受験率の高い地域なのに、自分は公立中学の出身。自分がしてみたかったので、親の身代わりという感じです。

 父親の役割については特に考えていないです。例えば、横にいる江口は筑駒(筑波大学附属駒場)から東京大学です。対して僕は高卒ですから同じような関わり方はできないわけで、父親というより、勉三としてどうするかという感じで関わっています(笑)。

 夫婦の分担については、担当科目を同じにすると夫婦げんかになるので、僕が算数と理科を教えて、妻が国語と社会。お互いに関与しないわけではないけれど、関わり方は半々という感じですね。

江口 うちは私が中受経験者で、妻は公立王国出身です。だから、中学受験をやろうと言いだしたのは完全に私。プランニングと勉強を教えるのは基本的に私ですね。

 平日の夜は私がいないので、丸付けや「勉強をしなさい」という声掛けは妻にしてもらっていますが、平日の夜も在宅の日は私が見ますし、土日はがっつり見ます。私がメインで妻がサポートです。

パパ 算数を中心に週末にがっつり教えていますけれど、平日の夜は帰りが遅いので、時間的には妻の方が長いですね。家庭不和の原因になりつつあります。週末は僕が朝昼晩ご飯作って、さらに勉強を見るので時間がありません。

茂山 うちは夫婦共に塾講師なので「やらない」という選択肢がなかった。自分の子どもを通わせないような塾というのも嫌ですからね。

 塾を経営して13年目ですが、明らかに父親の参加は増えています。開業当初は母親ばかりでしたが、今は3割程度が父親です。面談に来られなくても、協力的な家庭が増えています。

──お子さんの中学受験をサポートする父親が増えている一方で、ロジックが先行しがちなエクセル父さん、PDCA(Plan〈計画〉、Do〈実行〉、Check〈評価〉、Action〈改善〉)父さんには批判もあります。

次ページ以降では、「PDCA父さん」問題など中学受験にビジネス的手法を持ち込む是非に加えて、雑誌に掲載できなかった「塾の保護者面談を有意義にする秘訣」や「使えるウェブサービス」「過去問の取り組み方」も紹介。4回連載とは思えない特大ボリュームで中受・父親座談会をお届けする。