2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾#26Photo:PIXTA

合格体験記は読んだことがあっても、塾側の目線で併願戦略を解説した記事は少ない。そこで今回は、希学園首都圏学園長の山﨑信之亮氏に、偏差値帯が異なる6人の生徒の併願戦略について分析してもらった。特別に実際の面談資料も公開する。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#26では、「埼玉受験」で進学先を確保した女子の2月1日、2日の受験校の選択や、最上位層の男子の併願戦略を紹介。子どもの性格に合わせた1月校の選択や、「万が一」があった際の親の心構えについても解説する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

実際の面談資料を特別に公開
男女の上位層の併願戦略とは?

 希学園では面談を通じて、生徒全員の併願戦略を徹底的にシミュレーションする。しかも、その際は、偏差値表を用いながら複数のシナリオを用意する念の入れようだ。

 今回は偏差値帯が違う6人の実際の面談資料を特別に公開してもらい、1月の埼玉、千葉から、2月1日以降の東京入試まで激動期のリアルを3回に分けてお届けする。同塾の模試の偏差値はSAPIXの合格力判定サピックスオープンと近い水準なので、それを前提に他の塾に通っている家庭も参考にしてほしい。

山﨑信之亮・希学園首都圏学園長やまさき・しんのすけ/自身も希学園関西で学び、灘中学校に進学。東京大学在学中より講師として活躍。2016年から希学園首都圏の学園長に就任。国語科専任講師として教壇にも立つ。

 第3弾は平均偏差値60~65のBさんと平均偏差値65以上のA君のケースを紹介する(面談資料なので、実際に受験した学校とは一部異なる。また、出願期間や合格発表時間など2024年入試の詳細は必ず募集要項を確認してほしい)。

 早速、山﨑信之亮・希学園首都圏学園長に解説してもらおう。

【平均偏差値60~65 Bさんの場合】
埼玉合格で勢いをつけて
2月1日は鷗友スタート

図_Bさんの面談資料(サンプル)Bさんの面談資料。次のページで完全版が見られます!

「男女別学」「進学校」「手厚い」「革新」を基準に志望校を選んだBさんは、2月2日受験で豊島岡女子学園を希望していました。

 問題は1日をどうするかですが、Bさんはプレ桜蔭中模試で合格していました。桜蔭も十分に狙えましたが、ご家庭・本人の意向もあり、高確率で合格を狙える鷗友学園女子からスタートしました。

次ページでは2人の実際の併願戦略と実際の受験パターンを解説。実際の面談資料も拡大可能な完全版を公開し、合否についても明らかにする。また、Bさんが2月1日の結果がダメな場合、3日以降の受験をどう決断すべきだったのかなど、「万が一」があった際の親の心構えや、子どもの性格に合わせた1月の受験校選択についても伝授する。