2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾#30

中学受験マニアの父親4人が熱く語った200分の中で濃密な部分を4回に分けて紹介する最終回。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#30では、「低学年からの通塾」や「全落ち」問題に加えて、中学受験の平均的な学力ゾーンである「ボリュゾの戦い方」や「教科別の勉強のポイント」など雑誌版では紹介し切れなかったテーマも掲載。具体的学校名も挙げながら、拡大版でお届けする。(構成/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。
【座談会参加者 名前の右はXのアカウント】
エロイーズさん(江口) @Gimlet71004011
 小6男子、小4女子、小1男子の父親。本人は筑駒→東大。長男はSAPIXから進学校を目指す。別名は江口。趣味は過去問研究。
茂山起龍(茂山) @kiryushigeyama
 中学受験指導塾・應修会を経営。2023年に長男が受験。次男の伴走も。塾と保護者の両方の視点で鋭く分析。自身は中学受験で早慶付属に。
パパと娘の中受沼S25最中&S22終了(パパ) @S2025_S2022
 22年2月に長女がSAPIXで中学受験。現在は次女の25年2月の合格を目指して伴走中。次女はSAPIXのアルファベット上位(上位3割程度がαクラス、それ以下がアルファベットクラス)。
勉三パパ・中学受験2024(勉三) @juken2024
 長女は6年前に持ち偏差値10以上も上の学校に合格。次女は6年生で四谷偏差値は60台前半。「残高減っても偏差値減らすな」がポリシー。

否定派も多い「低学年からの通塾」
座談会参加の父親4人の見解は?

――先取りや低学年からの通塾についてはどう思いますか。

勉三 めちゃくちゃ低学年から派です。俺の子だから、長女も次女も同じような頭ですけれど、上の子は小4から塾に行っていたのに、全く追い付けない。なかなか偏差値50にたどり着かなかった。

 明らかに時間が足りなくて、次の授業までの7日ではマスターできない。でも、理解ができないわけではないんです。10日あればうちの上の子でも理解できるのにという状況でした。

 だから下の子はとにかく早くから始めようと思ったんです。それは僕の中では今のところうまくいっている。似たような遺伝子を持っているけれど、今の時点の偏差値は10以上も下の子の方が上なんです。早くから始めたのはすごく良かった。

江口 うちも先取りは下の子ほどするようになっています。上の子が4年生からSAPIX、真ん中の子が3年生から別の塾。下の子は今1年生ですけど、できれば2年生から算数塾に突っ込もうと思っています。

 下ほど面倒が見られないですから。勉強量的には大した負担ではないので、入れとくかという感じです。

勉三 地頭を否定する人はいないと思います。例えば僕がマラソンをしたら、後から瀬古と宗兄弟が走ってくれば絶対に抜かれます。当たり前ですよね。でも、僕だけで考えたら、早くからスタートしておけばより遠くまで行けるわけです。

茂山 僕もそこは正解だと思っています。できる子は早くなくていいのも事実ですけど、周囲が言うほど週に1回の塾通いは負担ではない。ピアノやサッカーと一緒だと思っている。

 そして、学校でも別にできるわけではない子ほど、早くから始めておいた方がいい。将来的に筑駒や開成に行くために低学年から入れるわけではないということが、なかなか理解されない。習い事みたいなものなんですけどね。

勉三 そもそも1年生から塾に入れても、全部を勉強に費やすわけではない。それでカブトムシを採りに行けないかといえば、全然そんなことない。

茂山 そうです、そうなんです。

パパ とはいえ、過度にやっている方々も中にはいて、それで問題になっている面はありますよね。

茂山 確かに。塾も含めて週に何個も勉強系の習い事を入れて、低学年の段階から偏差値を気にしだすのは違いますよね。

江口 能力開発の話でいえば、大したリードではなくても読み書きそろばんはさっさとやった方がいいに決まっている。それを、できる人は4年生からでもできますよって、そこと比べるのは論理破綻も甚だしい。

――算数の先取りで圧倒的な実績を出している、フォトン算数クラブの武井塾長は「先取りするなら算数」という趣旨のことを発言されていますよね。

「中学受験の合否を分けるのは算数?教えにくい科目は?」「最も重要な単元は?」「塾の授業に付いていくのに苦労している子が、脱落せずに再び上昇軌道に乗るためには?」「全落ち覚悟はアリ?」など次ページ以降も話題満載。具体的な学校名もたくさん登場します!