新NISA 徹底活用#13Photo:Scott Olson/gettyimages

オイルショック、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショック……過去、さまざまなショック安が株式相場を揺さぶってきた。だがその後、急回復したものも多い。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#13では過去に学ぼう。これまでのショック安の共通項と急回復のカギは何か?いつ来てもおかしくない事態に備えよう。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)

歴史が教える株ショック安の共通項
急回復で絶好の買い場となるカギ

 これまでさまざまなショック安が株式相場を揺さぶってきた。長きにわたって元の水準に回復しなかったケースもあれば、絶好の買い場を提供したケースもある。

「落ちてくるナイフはつかむな」との相場格言がある。「下げ相場に立ち向かうな、反発を確認してから買いなさい」との意だ。日経平均株価が過去最高値をうかがい始めているいま、ショック安は大けがのもとにも絶好の買い場にもなり得る。

 これまでの株暴落の歴史に学び、これから起こり得る事態に備えたい。ショック安の共通項と急回復のカギは何なのか。ショック安はいつ来てもおかしくない。

 まずは過去の株暴落、大幅下落の共通項を見いだしていこう。それは六つある。

【1】金融緩和の長期化によるバブルの発生

 バブルが発生、資産価格の高騰に歯止めをかけようとすると、バブルは崩壊する。世界大恐慌(1929年)もその前に、第1次世界大戦後の復興景気による投資バブルが発生していた。日本のバブル崩壊も、円高不況、米ブラックマンデーの影響で続く超低金利の下で生まれ、株式市場の暴落、崩壊へと至った。

【2】過剰な財政出動や特需などによる経済肥大化

 スターリン暴落(53年)前の朝鮮戦争特需や、証券不況(64年)前の東京オリンピック開催に伴う財政出動などによって支えられた景気は、その終了後、崖から落ちるように不景気に突入。金融緩和などの刺激策が機能せず株価暴落となった。

【3】財政・金融当局による誤った政策判断

 世界大恐慌では、当初は財政均衡主義や自国経済優先の保護貿易などが実施され、さらなる景気悪化を呼んだ。日本のバブル崩壊では財政・金融当局が実態を見誤り、不動産融資の総量規制などの規制や金融引き締めに過度に踏み込んだ。その後も景気の立ち上がり局面で金融引き締めや増税を実施し、景気回復の機会を逃した。

ショック安はいつ来てもおかしくない。これまでの株暴落の歴史に学び、これから起こり得る事態に備えたい。ショック安の六つの共通項のうち残る三つは何か、その後の急回復のカギは何なのか。次ページでさらに見ていこう。