長い歴史を持つ国際自動車は“100年企業”。タクシー・ハイヤー・バスの3事業を中心に多角化した事業戦略を進めている。新卒採用にも積極的で、毎年100人前後を採用。入社後もジョブトレーニングを実施して適性を見極め、適材適所の人材登用を実現している。
石井 仁 代表取締役社長
国際自動車は、萌黄(もえぎ)色とkmマークでもよく知られている、創業103年を迎える老舗のタクシー会社だ。タクシー事業、ハイヤー事業、バス事業という3本柱を持ち、それらに関連する整備事業や保険事業、駐車場事業などを展開している。タクシー事業では国内のタクシー会社の中でも最大規模の保有台数を誇り、近年は同社の配車・決済アプリ“S・RIDE”の認知度も高くなっている。ハイヤー事業ではVIPや国賓などの送迎も多く、契約社数は2500社(上場企業は約200社)に及ぶ。
乗務は
筋書きのないドラマ
2022年10月、21年から社外取締役を務めていた石井仁氏が新社長に就任した。
「社長になって改めて思うのは、さまざまな経験や価値観を持つ社員が多く、職場はダイバーシティそのものだということ。当社の特徴の一つは“相手を思う創意工夫”。タクシーやハイヤーの乗務は、筋書きのないドラマのようなもので、マニュアルを超えて自分の判断で臨機応変に対応しなければならない場面が数多くありますが、乗務社員の多様な個性がそうした場面で生かされていると感じます」と石井社長は話す。
kmのホスピタリティの源泉は、「社員第一主義」にある。顧客へのホスピタリティを発揮するには、まず社員と社員の家族が健康で幸せにいられることが重要になる。そのために行っているのが、ホスピタリティを磨く研修制度である。自分らしく働けるキャリア支援制度や、全社員が意見を出せる社内提案制度がある。さらに、ジョブトレーニングと呼ばれる社内インターンシップ(3カ月単位)や、働く女性を支える女性活躍推進制度、プロドライバーとしてのテクニックを磨くJPNタクシー専用コースなども用意され、適材適所の人材登用を実現している。