鉄道や携帯電話事業などで圧倒的な顧客基盤を持つ企業が銀行業に参入している。交通系ICカードで延べ1億人の会員を持つ東日本旅客鉄道(JR東日本)、携帯電話市場での3割のシェアを背景に、国内最低水準の金利で住宅ローン市場を攻めるKDDI(au)、キャッシュレス決済で7割のシェアを獲得したPayPay。ATMも店舗も持たないネオバンクは、フィンテックを活用して使いやすさを追求し、日常の決済や個人送金にとどまらず、ベンチャー企業や中小企業向けの融資など、銀行のリテール市場の攻略も視野に入れ始めた。迎え撃つ銀行は生き残れるのか。特集『異業種 銀行侵入の衝撃』では、11月13日(月)から22日(水)までの全5回にわたって、異業種の銀行参入の破壊力を徹底検証していく。(ダイヤモンド編集部 金山隆一)
#1 11月13日(月)配信
JR東日本が銀行業に来春参入、Suica会員1億を擁するラスボスの背後にいる「ジョーカー」とは?
Suica9900万枚、日本の人口に匹敵する数の交通系ICカード持つ東日本旅客鉄道(JR東日本)が来春銀行業に参入する。迎え撃つ銀行は“ラスボス”の登場を警戒するが、あまたある金融サービスのどこに焦点を絞っていくのかはいまだ見えない。それがさらに不気味さを醸し出しているのだが、具体的に動向を見ていくと、JRの巨大な顧客基盤を手中に収めようとするジョーカーの存在が浮かび上がってきた。
#2 11月15日(水)配信
PayPay、シェア7割でキャッシュレス決済の支配完了!次の戦場は「新NISA」獲得の地上戦
地道で泥くさいローラー作戦を続けた結果、QRコード決済でシェア7割を握り、キャッシュレス市場を完全に掌握したPayPay。だがPayPayはそれで満足していない。今、その得意技を“横展開”して、新たな市場に侵入しようと照準を定めている。その市場とは?
#3 11月17日(金)配信
GMOあおぞらネット銀、設立5年で法人10万口座を獲得!行員わずか224人で躍進した「技術力の脅威」
設立から5年で法人口座数を10万超に増やしたGMOあおぞらネット銀行。業界最安値の手数料や無料銀行APIがてこになったように見えるが、実態はそれだけではなかった。行員わずか224人で達成できた理由を解明する。
#4 11月21日(火)配信
史上最低0.16%の住宅ローンで市場を席捲!auじぶん銀行の「無謀すぎる低金利」に潜む勝算
新規に借り入れる住宅ローンの最優遇金利は実に0.169%。「逆ざや」に陥りかねない市場最低水準の金利で住宅ローン市場を席巻するauじぶん銀行。実はこの超低金利が、グループ収益を極大化する原動力になっている。なぜこれほどの低金利が実現できるのか。大手銀行がまねできない低金利競争の勝算とともに解説する。
#5 11月22日(水)配信
銀行生き残りの「ウルトラC」を著名アナリストが提言!異業種にもフィンテックにも負けない方法とは?
人口減少と地域経済の停滞で店舗やATMのコストが重くのしかかる地方銀行。銀行の低PBR(株価純資産倍率)も問題となっている。だがピクテ・ジャパンの大槻奈那シニア・フェローは、再編は必ずしも解決策にはならず、生き残るための“ウルトラC”があると力説する。それは何か?
Key Visual by Noriyo Shinoda