コロナ禍で陸海空運の業績は明暗を分けた。鉄道・空運が大打撃を受けた一方、海運は需給逼迫(ひっぱく)による運賃高騰で史上空前の利益を上げた。今回はJR東日本とJR東海、ANAホールディングス、日本郵船の4社を取り上げる。各社の中で、それぞれ年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#24では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算。ANAはOB世代が勝ち逃げなのかを検証。一方、残り3社で優勢だった世代はどこか。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
コロナ禍で苦しんだ鉄道・航空
空前の利益を享受した海運、それぞれの世代別年収は?
新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響が、直撃したのは鉄道・航空業界である。どちらの業界も固定費比率や損益分岐点比率が高く、減収は即、利益の激減や赤字幅の拡大に直結。このため、各社は収益の悪化に苦しんだ。
ただ、現在は経済の再開で最悪期を脱し、訪日客の増加やレジャー需要の回復で、業況は良好になっている。
一方、コロナ禍による物流の混乱で、コンテナ船の運賃が急騰した海運業界は、史上空前の利益を享受した。
今回は陸海空運の主要企業のうち、JR東日本とJR東海、ANAホールディングス(HD)、日本郵船を取り上げる。4社の中でそれぞれ、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算の結果を基に、ANAHDはOB世代が勝ち逃げだったかを検証。一方、JR2社と日本郵船で優勢だった世代はどこか?また、専門家による5年後の予測年収の試算も併せて掲載した。次ページで確認しよう。