どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#26Photo by Satoru Okada

新しい少額投資非課税制度(NISA)の2024年開始もあり日本株は歴史的な高水準だが、ネット証券最大手のSBI証券の主導で手数料の引き下げ競争が激化している。今回は大手証券の野村ホールディングスや大和証券グループ本社、SBIホールディングスに加え、リース最大手オリックスの計4社を取り上げる。各社の中で、それぞれ年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#26では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算。「キープヤング」と若手登用をうたう野村は若手が勝ち組となったが、大和、オリックス、SBIは?(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

株高で業績好調な野村、大和、SBI
証券3社にオリックス、それぞれの世代別年収は?

 日経平均株価は、3万円を超える歴史的な高水準で推移している。日本経済の脱デフレやコーポレートガバナンス(企業統治)の改善に加え、2024年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)も個人投資家の資産運用への関心を高めていることから株高の追い風となっている。

 証券会社の業績は好調だ。23年4~9月期の純利益は、野村ホールディングスが前年同期比3.2倍の585億円で、大和証券グループ本社も70%増。インターネット証券最大手SBI証券を傘下に持つSBIホールディングス(HD)の純利益も4.6倍に増えた。

 ただ、先行きへの懸念も出ている。SBI証券が9月末に日本株の取引手数料を無料にした。同社は19年から将来の無料化を宣言していたが、ネット証券2位の楽天証券もこれに追随。手数料の引き下げ競争が激化している。

 今回は野村と大和、SBI HDに加え、リース最大手のオリックスを取り上げる。4社の中でそれぞれ、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、「キープヤング」と若手登用をうたう野村は若手が勝ち組となったが、大和、SBI HD、オリックスは?また、専門家による5年後の予測年収の試算も併せて掲載した。次ページで確認しよう。